カーマニアの神髄! 実に奥深き「キットカー」の歴史をご存じか
ある程度組み立てた半完成の状態で販売される「キットカー」。完成車に掛かる税金を節約する目的で生まれた販売方法だが、自動車への理解を深める欧米の自動車趣味のひとつとして愛された。
最高時速160kmの名キットカー
対して上級モデルだったサンダーボルトは、パワフルなトライアンフTR3の2リッター100hp中古エンジンとトランスミッションを用意する必要があった。こちらはシャシーもタイフーンとは一線を画する強化バージョンとあって、キット価格も3000ポンドと高価だったが、それでもジャガー、トライアンフ、MGなどの完成車よりははるかに安かった。
加えてそのパフォーマンスはキットカーの中ではロータス・エリートに次いで優秀であり、最高速は160km/hを超えた。ハンドリングを含めたスポーツカーとしての総合性能は、メカニカルコンポーネンツを借用していたトライアンフTR3よりも優れていたと言われている。
現代、トーネード・サンダーボルトは、欧米のヒストリックカーレースでは非常にレアな1台であり、その性能は同じクラスを走るMGAやトライアンフTR3、さらにはポルシェ356といった有名車などにも決して負けてはいない。
その他、ベーシックモデルのタイフーンを含め、1950年代後半にキットフォームで提供されたトーネードの各モデルは、そのカタチだけでは車名を思い出してもらえることも少ない。世間的にはあきれるほどマイナーなモデルではあるものの、優れたパフォーマンスゆえに、バックヤードビルダーが手掛けたキットカーとして歴史にその名をとどめることとなった。
なお、こうした中古部品を流用したカスタムカーのモチーフとして他に人気のモデルといえば、アメリカの人気レースカーであるシェルビー・コブラがある。