コロナ禍で「中古バイク」の価格が高騰! いったいなぜなのか
良い状態の中古車は年々減少する?
需要の増加に伴って、中古車の供給数の増加が伴えば中古価格の安定につながるが、中古車は、年数の経過とともに経年劣化が進むため、良い状態を維持できるバイクは年々減少していくる。
そのため、整備が必要となるバイクが増え、とりわけ高度な整備技術を要し、また部品の確保が困難な絶版車のバイクは最終的な小売価格が上昇する傾向がある。こうして中古車は全体として希少性が高まり、整備コストもかかってくるため価格が上昇すると考えることができる。
直近のデータでは、2022年の2月から4月は価格がいったん落ち着いたものの、5月には再度2021年ピークの27万円台まで回復した。2月~4月と言えば、ウクライナ情勢により、ロシア向けの輸出規制等で海外輸出バイヤーの買い控えが発生し、一時的にオークション相場が下落しましたが、最近の円安によって海外輸出向けのバイヤーによる仕入れが改めて活性化しているようだ。
また国内においてもこれからのバイクシーズンに向けて需要が高まる時期になっており、バイクの中古車市場における活況はしばらく継続するとしている。
バイク王&カンパニーが運営する「バイク未来総研」の宮城光所長は今回の結果について、
「この数年のバイクの価格上昇は、改めて前段でのデータ検証で明確になりましたね。元々、近年の国内バイクのマーケットでは、グローバルモデル展開として250ccクラスを中心とした若い世代へのタッチポイントを増やしながら、確実に新規ユーザーへの誘い込みを行ってきました。そこへ、今回のコロナ禍で若い世代にも時間を有効利用できるチャンスが増え、より多くバイクと対面する時間が増えた事もバイクブームの大きなトリガーとなったのではないかと感じます。距離を走り、ひとりでも楽しめる性質を持つバイクは、マーケットに存在する個性的な車両(中古市場)へも、選択肢が広がるのは当然の流れとも言えます。一方で世の動きもテレワーク、オンライン会議などネットを中心とした動きへとシフトチェンジしたのは私自身もそうでした。そしてネット情報に刺激され、郊外でのリアルなリフレッシュを求めるという世相が複雑に重なった結果なのではないでしょうか」
とコメントを寄せている。