日本製なのに国内未発売! アメリカで圧倒的人気を誇った伝説バイク「HODAKA」をご存じか

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「HODAKA」という日本製モーターサイクルをご存じだろうか。北米市場で高い人気を獲得しながらも、日本では販売されずほとんど知られなかった伝説のメーカーである。

1964年、初の完成車が名古屋から北米へ

 完成車の車体設計と仕様の決定については、PABATCO側が依頼したアメリカの専門家の意見が強く反映されていたとも言われている。

 こうして穂高工業所初の完成車は「HODAKA」のブランドとともに名古屋から北米に向けて輸出されることとなった。1964(昭和39)年初夏のことである。

 車名は「HODAKA ACE90」。8.2hpの90cc2ストロークサイクル単気筒エンジンを搭載した軽快なオフロードバイクで、車重はわずかに170lbs(77kg)に過ぎなかったことから、極めて優れた走行性能をオフロードで発揮したと言われている。

 意外なことに、この時代には2ストロークサイクル単気筒エンジンを搭載した軽量なオフロードモーターサイクルというと、イギリスのコットンやグリーブスなどを数えるのみであった。

 モーターサイクル先進国となりつつあった日本でも、このサイズのオフロード仕様車は、ロードモデルをベースにアップマフラーなどにモディファイした仕様を数えるのみで、フレーム設計の段階からオフロード走行を前提としていたのは、HODAKA ACE90が日本車としては初めての存在だった。

 こうしてHODAKAは北米における人気モデルの座を駆け上ることとなる。

 ACE90は1967年には排気量を100ccに拡大し、トランスミッションも4速から5速としたACE100に発展。1970年には排気量を125ccに拡大したWOMBATが登場し、その人気は一層拡大していった。

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