日本製なのに国内未発売! アメリカで圧倒的人気を誇った伝説バイク「HODAKA」をご存じか
「HODAKA」という日本製モーターサイクルをご存じだろうか。北米市場で高い人気を獲得しながらも、日本では販売されずほとんど知られなかった伝説のメーカーである。
少年からプロライダーまで愛される1台に
ACE100にはSUPER RAT、WOMBATにはCOMBATという名のモトクロッサーも用意され、それぞれAMAモトクロスの軽量クラスにおける常勝マシンとなった。
公道走行仕様も純レーサーのモトクロッサーも基本的な仕様と部品構成は同じであり、公道走行モデルをモトクロッサー用パーツでチューンナップすることも容易。
その結果、HODAKAは初めてモーターサイクルに接する少年の最初の1台から、さらなるパフォーマンスアップを目指す有名チューナーや一流プロライダーにまで等しく愛されるという、非常に好ましいキャラクターを得ることとなったのである。
しかし良い時代は長くは続かなかった。
1960年代末から1970年代初めになると、日本の有力メーカーが次々と本格的なオフロードモデルで北米市場に参入を開始。こちらは250ccクラスがメインだったことから、最も大きな排気量のモデルでも125ccしか持たなかったHODAKAは次第に市場での人気を失って行くこととなる。
とはいえ、それでもこの時点でのHODAKAは非常にコアな層からの人気を獲得していたこともあり、最低限の販売台数は確保できていたと思われていた。
全てが発覚したのは1977(昭和52)年にPABATCOの新たな親会社となったシェル石油による財務状況の精査の結果であり、シェルは最終的にPABATCOが深刻な赤字体質であるとして資本の引き上げを決定、その結果HODAKAも生産を打ち切らざるを得なくなった。
この時点でHODAKAは250ccクラスのストリートモデルやモトクロッサーを完成させていたものの、その販売台数は少数に終わった。