「日本車の牙城」崩壊寸前? 三菱自、豪州でEVを仕掛ける! 中国勢の猛追にどう挑むのか――5年ぶりの本格EV、協業で放つ巻き返しの一手
豪州の新車輸入台数で中国車が3.6万台に達し、28年続いた日本車の首位が陥落した。日系各社が苦戦を強いられるなか、三菱自動車は自前主義を脱し、台湾・鴻海との水平分業で開発した新型EVをオセアニアへ投入する。自社完結から異業種連携へ。過酷な構造変化に挑む同社の戦略転換と、自動車産業の未来を追う。
オセアニア市場に挑む三菱の新型車

三菱自動車は2026年8月10日、オセアニア地域で電気自動車(EV)の新型モデル「ASX VR-e」を同年第4四半期に投入すると発表した。
2021年3月に生産を終えた「i-MiEV(アイ・ミーブ)」から数え、約5年ぶりの本格的な乗用EVの登場となる。
自国より先にオーストラリアとニュージーランドを投入先に選んだ背景には、同地域におけるEV需要の急速な高まりがある。これに加え、台湾の鴻海精密工業(フォックスコン)などと結んだ水平分業型の供給スキームも大きく影響している。
長く日本メーカーが販売の地盤を固めてきたオセアニア市場だが、現在は中国系ブランドの勢いが増している。異業種との連携を通じて市場の変化へ適応していく三菱の動きは、これからの車づくりや製品投入のあり方を考えるうえで示唆に富む。
本稿では、現地市場の構造変化をはじめ、開発や生産をめぐる協業体制、さらに世界展開への結びつきを読み解く。