「日本車の牙城」崩壊寸前? 三菱自、豪州でEVを仕掛ける! 中国勢の猛追にどう挑むのか――5年ぶりの本格EV、協業で放つ巻き返しの一手

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豪州の新車輸入台数で中国車が3.6万台に達し、28年続いた日本車の首位が陥落した。日系各社が苦戦を強いられるなか、三菱自動車は自前主義を脱し、台湾・鴻海との水平分業で開発した新型EVをオセアニアへ投入する。自社完結から異業種連携へ。過酷な構造変化に挑む同社の戦略転換と、自動車産業の未来を追う。

オセアニアから挑む世界展開の行方

三菱自動車・ASX VR-e(画像:三菱自動車・ニュージーランド)
三菱自動車・ASX VR-e(画像:三菱自動車・ニュージーランド)

 ニュージーランド法人の発表によれば、ASX VR-eの外観は、イタリアの老舗デザイン工房であるピニンファリーナが手がけた意匠が元になっている。

 そこに三菱ならではの味付けを加えた。ブランドの顔ともいえる「ダイナミックシールド」を思わせるLEDライトバーや、専用のアルミホイールを取り入れ、独自の色を出している。車内には15.6インチの大型操作画面を置き、近代的な空間に仕上げた。

 車種の構成は、基本となる「LS」、中間の「XLS」、上位の「Exceed」、そして最上位のスポーツモデル「GSR」の4種類を揃える。

 目を引くのは「GSR」の名前が復活した点だ。かつてギャランやランサーエボリューションなど、過酷なモータースポーツの世界で活躍した車にだけ与えられてきた称号である。

 このGSRは前後にモーターを積む全輪駆動(AWD)となり、最高出力は407PSに達する。静止状態から時速100kmまで3.9秒で加速するという、スポーツカーに迫る走行性能を持つ。同社が磨いてきた四輪を制御する技術を、電気で走る時代へ引き継ぐ姿勢が窺える。

 なお、車体の開発元であるフォックスコンは、米国でのEV生産と販売を探っていた。しかし、関税の壁が懸念されたため、2026年6月に北米での事業計画を一時的に凍結している。

 その影響で、ASX VR-eを左ハンドルに変えて北米や欧州へ持ち込む計画は当面見送られることになった。結果として、まずはオセアニア市場でどれだけ受け入れられるかが、三菱の今後の展開を占う大きな指標となっている。

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