「日本車の牙城」崩壊寸前? 三菱自、豪州でEVを仕掛ける! 中国勢の猛追にどう挑むのか――5年ぶりの本格EV、協業で放つ巻き返しの一手

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豪州の新車輸入台数で中国車が3.6万台に達し、28年続いた日本車の首位が陥落した。日系各社が苦戦を強いられるなか、三菱自動車は自前主義を脱し、台湾・鴻海との水平分業で開発した新型EVをオセアニアへ投入する。自社完結から異業種連携へ。過酷な構造変化に挑む同社の戦略転換と、自動車産業の未来を追う。

オセアニアを先行投入先に選ぶ理由

オーストラリア新車販売推移(画像:FCAI)
オーストラリア新車販売推移(画像:FCAI)

 オセアニア地域の新車販売は、オーストラリアが年間約120万台、ニュージーランドが約10万台の規模にとどまる。世界的に見れば中規模の市場だが、日本と同じ右ハンドルで左側通行という条件が揃う。車の仕様を変える費用を抑え、早い段階で新モデルを持ち込める利点がある。

 三菱にとって、この地域は世界販売の約1割を占める重要な市場だ。2026年5月に示した事業計画のなかでも、オーストラリアを立て直しの拠点に位置づけている。

 広い国土と高い所得水準を持つ同国では、長距離の移動に向くSUVやピックアップトラックの需要が根強い。これまでも三菱「トライトン」や日産「ナバラ」、いすゞ「D-MAX」などが売り上げを伸ばしてきた。今回投入するASX VR-eは、こうしたSUVの使い勝手と、急速に高まる電動化のニーズを同時に満たす役割を負う。

 また、充電設備などの環境整備が進みつつある同市場は、新しい車を試す場としても都合が良い。

 三菱はオーストラリアに144店舗、ニュージーランドに60店舗以上の販売と整備の網を持っている。車を売った後の手厚い支えは、新しく参入してくる中国系ブランドとの違いを際立たせる材料になる。

 現地で集めた走行データや顧客の好みを細かく洗い出し、ゆくゆくは他の地域での展開へ生かしていく算段だ。

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