「鉄道やフェリーはいらなくなる?」 2030年代半ばへ動き出す“物流版新幹線”、国内物流の主役はどう変わるのか
深刻化する物流危機の打開策として、2030年代半ばの東京~大阪間実用化を目指す自動物流道路構想。無人で24時間貨物を運ぶ「物流版新幹線」の登場は、労働時間の制約を消し去り、拠点立地や鉄道・海運との役割分担など国内の輸送ネットワークを大きくぬり替える。新時代のモビリティ投資の方向性を展望する。
物流投資の新局面

自動運転トラックを巡る議論では、自動運転レベルの向上など技術面に注目が集まりやすい。しかし、本質は物流基盤への投資をどう進めるかという問題でもある。
現在は、鉄道貨物や内航海運へのモーダルシフトが進められる一方で、自動物流道路の検討や次世代物流施設の整備も始まっている。自動物流道路の実用化は、要素技術の確立などを踏まえると2030年代半ば以降になる見通しだが、その段階では
・高速道路の改良
・専用レーン
・自動運転トラック専用IC
・運行管理システム
などへの投資が必要になる。企業側も、自動運転トラックの導入や物流施設の整備など、新たな投資を求められる。その前提として、貨物の種類や地域特性、輸送距離、投資費用を踏まえ、「物流版新幹線」と有人トラック輸送、さらに鉄道貨物や内航海運の役割を整理し、国内物流網全体の姿を描く必要がある。
自動運転トラックと鉄道貨物、内航海運をはじめとする各輸送手段をどう組み合わせ、物流の課題に対応していくかが、今後の大きな論点となるだろう。