「鉄道 = 稼げない」と見抜いていた? JR貨物、本業赤字を支える利益率57%の“不動産戦略”は正しかったのか

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本業の鉄道事業が119億円の巨額赤字に沈むなか、利益率57%・営業利益148億円を叩き出す不動産事業で全社をけん引するJR貨物。旧国鉄民営化時の「遺産」に頼る土地の切り売りから一歩進め、私募ファンドの運用やアセットマネジメント業への参入など、生き残りをかけた「投資会社化」の深層に迫る。

少ない保有線路と膨大な保有不動産

JR貨物が運行する貨物列車(画像:写真AC)
JR貨物が運行する貨物列車(画像:写真AC)

 JR貨物は2026年6月18日、同社の広島車両所を大規模に改修すると発表した。同車両所は、1943(昭和18)年3月に操業を始めた主力の車両メンテナンス拠点で、同社が所有する機関車や貨車の全般検査を担っている。

 敷地面積は約8万平方メートル、建物面積は約3万4000平方メートルで、建物は約50棟に及ぶ。操業開始から80年以上が経過し、施設や設備の老朽化が進んでいることから、解体、新築、移設を段階的に進め、改修工事を行うとしている。

 同社は1987年の旧国鉄分割民営化にともない、他のJR旅客6社(北海道、東日本、東海、西日本、四国、九州)が地域ごとに分割されたのに対し、全国1社体制の貨物列車専門の鉄道会社として発足した。

 同社公式サイトの経営諸元によると、営業線区は75線区、7805.5kmに及ぶ。このうち、同社が直接線路を保有し、列車を運行する線区(第1種鉄道事業区間)は8線区・29.1kmにとどまる。営業線区の大部分では、他のJR旅客6社や第三セクター鉄道に線路使用料を支払い、貨物列車を運行している。

 同社は、直接線路を保有しない一方で、貨物駅や操車場など、比較的大規模な施設を全国に保有してきた。これらの施設には、上述の車両所のように現在も稼働しているものがある一方、国鉄分割民営化後にコンテナ輸送が中心となり、輸送の仕組みが見直されたことで廃止されたものも少なくない。

 同社では、こうした廃止施設の土地を活用し、不動産事業も展開してきた。これまでに飯田町貨物駅跡地では35階建ての超高層賃貸オフィスビルと商業施設を建設。小名木川貨物駅跡地では約12万平方メートルの大型ショッピングモールを整備した。八王子駅南口では、分譲タワーマンションとショッピングモールの複合施設を開発したほか、会津若松駅・長崎駅周辺の土地区画整理事業や向日町駅周辺の再開発事業などにも取り組んでいる。

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