なぜ「都営三田線」が選ばれるのか? 住みたい街ランキング1位の駅が映す“移動の自由”という新基準

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現代の家選びはブランドから「移動効率」へと移り変わっている。500人への調査で目黒が1位となったように、都心直通と乗り換えやすさが支持を集める。1日約10.9万人が行き交う大手町への近さや、将来に向けたインフラ投資を背景に、三田線ランキングから都市居住の新たな実利を読み解く。

多様な生活を支える共通実利

白金高輪(画像:フィリアコーポレーション)
白金高輪(画像:フィリアコーポレーション)

 面白いのは、第1位の目黒(142票)と第4位の板橋区役所前(68票)が、同じランキングの中に並んでいることだ。目黒は誰もが知る華やかな街で、店選びにも事欠かない。ちなみに目黒駅は目黒区ではなく、品川区(上大崎)の最北端に位置している。鉄道敷設時、地形の制約やコストを考慮して直線的なルートが選ばれた結果とされるが、そうした都市形成の歴史的な名残も、この街の奥深い魅力に繋がっている。

 その一方で板橋区役所前は、役所や暮らしに必要な施設が身近に揃い、日々の過ごしやすさを大切にする人たちに選ばれている。住まいにかかるお金も、街の雰囲気も、ふたつはまるで違っている。

 それなのに、どちらの駅からも都心へ真っ直ぐに行けるという、同じ乗り物の恩恵を受けている。

・暮らしのやりくりを重視して賢く暮らしたい人
・住む場所の格調や心地よさにお金を払いたい人

進む方向は違えど、都心へすぐ動けるという同じ足回りを使って、それぞれの生活をうまく組み立てているわけだ。交通の網の目が細かくなったことで、家を探す人の多様なこだわりを丸ごと受け止めるだけの器が、今の都市には備わっているのだろう。

 いまの住まい探しを見渡すと、名前の通りがよい街かどうかにかかわらず、都心への通いやすさという実利が広く求められている。一見すると交わるはずのない人たちが同じ路線を選ぶ。その背景には、それぞれの求める暮らしの形を、懐深く支えてくれる移動の仕組みがしっかりと行き届いているのではないか。

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