「最寄り駅まで遠すぎる…」 なぜ大阪府民の3割以上が同じ悩みを抱えるのか? 鉄道依存の移動構造を考える
大都市の死角である「駅遠」問題。大阪府民の32.4%が直面するラストワンマイルに対し、Osaka MetroはAIオンデマンドバスを全24区へ拡大した。家族の送迎負担解消など6割超が期待を寄せるこの試みは、福祉の枠を超え、全世代の生活を支える次世代インフラへと都市交通の構造を劇的に塗り替えつつある。
生活の質の土台への転換

「駅が遠い」という不満は、
・街の形
・人口バランス
・働き手不足
が絡み合った結果として表に出ている。大阪府の総人口約880万人のうち、75歳以上は2005年と比べ80万人も増え、2019年には年間4万人超が免許を返納した。学校数も133校減るなど、環境変化にともない移動への不安や需要は間違いなく膨らんでいる。
移動が持つ価値そのものが大きく変わりつつある。特定の場所を行き来する手段にとどまらず、その街がすべての世代にとって暮らしやすいかどうかを決める生活の質の土台として見なされるようになった。
オンデマンド交通の広がりは、免許を返したお年寄りの不安を和らげると同時に、利便性を求める働く世代や子育て世帯のニーズにも応える。これらがAIを使ったひとつの仕組みで成り立つことで、街の住みやすさそのものが新しく塗り替えられていくのだろう。
・駅を中心とした街の進み方
・個々に合わせて動くサービスの論理
がどのあたりで折り合いをつけるのか。そのすり合わせと統合の歩みこそがこれからの都市交通が向かう先であり、ひいては地域経済全体の競争力を高めていく力になるはずだ。