日本人より辞めない? 物流業界が明かす「外国人ドライバー」採用の裏側、60%が「採用強化だけでは不十分」と感じる理由とは

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外国人ドライバーの定着は想定以上に進む一方、現場の6割超は「採用拡大だけでは2024年問題を乗り切れない」とみている。管理職281人調査から浮かんだのは、人手不足より深い、日本型物流そのものの維持コストだった。

労働力確保だけで済まぬ現状

外国人ドライバーの採用実態に関する調査(画像:G.A.グループ)
外国人ドライバーの採用実態に関する調査(画像:G.A.グループ)

 外国人ドライバーの確保で「2024年問題」を乗り切れるかという問いに対し、肯定的な回答は17.1%に留まり、66.2%が「乗り切れない」、16.7%が「わからない」と回答した。この結果は、労働力を確保するだけでは事態の打開に不十分だという現場の認識を示している。管理職の多くは、外国人採用をあくまで

「事態を動かす一手段」

として捉えており、人員不足の解消以上の抜本的な対策が必要だと感じている。

 現場がこれほど慎重な構えを見せる背景には、求められているものが労働力の「数」ではないという実感がある。荷主が求める

・細かな付随作業
・分単位の正確さ

といった日本独自のサービス水準を維持しようとすれば、人を招き入れるだけでは自ずと限界がくる。現在のサービス品質そのものを維持できるかという問いに、いま現場は直面している。管理職は採用を有効な道として認めつつも、並行して現場のありようを抜本的に見直すべき時期に立たされているのだ。

 また、採用の目的についても特定の項目に著しく偏っている。回答では「ドライバー不足の解消」が80.4%と圧倒的で、「社内の多様性の推進」は31.3%、「若年層の人材確保」は26.3%に留まった。一方で「人件費の削減・抑制」は21.4%、「海外事業や外国人顧客への対応」は18.2%となっている。この分布からは、外国人材の受け入れが戦略的な人材活用というよりは、

「目先の欠員を埋めるための手段」

として導入されている現実が透けて見える。コストに関する認識からも、現場の切実な状況が裏付けられる。人件費抑制を目的とした採用が21.4%と低い水準にある点は、彼らを

「安い労働力」

として期待しているわけではない。企業は高い費用を投じてでもドライバーを確保し、事業を繋ぎ止めなければならない局面にあるのだ。

 いま物流現場は、利益の積み上げ以上に、運送という機能を維持するための投資をなかば強制されている状態にある。

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