「その条件では運べません」 輸送能力34%不足時代へ――物流会社が選び始めた「荷主の条件」

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2030年度には輸送能力の34%、9億t分が不足する――。物流危機が深まるなか、運送会社が荷主を選ぶ時代が現実味を帯びてきた。物流を「コスト」と見なしてきた企業は生き残れるのか。ヤッホーブルーイングの実例から、これからの荷主像を探る。

外部との共創による省人化の加速

倉庫内設備のイメージ(画像:Pixabay)
倉庫内設備のイメージ(画像:Pixabay)

 パートナーとの関係は、輸送にとどまらず、現場設備の開発にも広がっている。

 アソート商品の出荷では、倉庫作業が複雑になり、既存機器だけでは顧客の要望に応えきれなかった。そこで同社は、取引先でもある地元メーカーと協力し、独自の定期宅配加工自動化設備を共同開発した。

 その結果、作業員を8人から3人へ減らすことに成功している。これは、

・IT導入
・DX

という言葉だけでは語れない取り組みである。社内の効率向上だけを追うのではなく、外部企業の知見と自社課題を持ち寄り、ともに解決策を探ってきたからだ。自社の物流網に関わる事業者を、

「欠かせない存在」

として扱う姿勢が、結果として同社の物流体制を支えている。こうした取り組みは、いまや一企業の成功例にとどまらず、国が進める「ホワイト物流推進運動」の考え方にも重なっている。政府は、

・荷待ち時間の削減
・荷役作業の負担軽減
・パレット利用の拡大

など、荷主と物流事業者が連携して業務の進め方を見直すよう強く求めている。ヤッホーブルーイングが実践してきた自ら動く姿勢は、今後の物流維持に欠かせない条件になりつつある。

 これまでの無理な商慣行を残したまま、運賃だけを形だけ見直せば済む時代は終わった。物流を「コスト」として扱うのではなく、事業継続に欠かせないものとして捉え、物流事業者の課題に向き合える企業だけが、物流危機のなかでも事業を維持できる。

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