「その条件では運べません」 輸送能力34%不足時代へ――物流会社が選び始めた「荷主の条件」

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2030年度には輸送能力の34%、9億t分が不足する――。物流危機が深まるなか、運送会社が荷主を選ぶ時代が現実味を帯びてきた。物流を「コスト」と見なしてきた企業は生き残れるのか。ヤッホーブルーイングの実例から、これからの荷主像を探る。

物流会社に選別される荷主の特徴

トラックドライバーの年齢構成(画像:国土交通省)
トラックドライバーの年齢構成(画像:国土交通省)

 輸送力に限りがある以上、今後は「運送会社が荷主を選ぶ」時代へ移っていく。では、どのような荷主が真っ先に契約を打ち切られるのか。

 筆者(井上ダイスケ、物流ライター)がある運送会社の経営幹部から聞いた話は、その実情をよく表している。2025年11月、補助金の投入などで燃料価格が一時的に下がった際、ある大手メーカーの担当者が

「燃料費が下がったのだから、運賃を値下げできるはずだ」

と求めてきたという。しかし、それ以前に燃料価格が上がった局面で、運賃が十分に引き上げられていたわけではなかった。物流事業者を下請けのように扱う

・商慣行
・無理な納期設定
・改善提案への消極的な対応

こうした対応は、今後、契約打ち切りの理由になりかねない。とくに中小の荷主は、この変化を重く受け止める必要がある。大口顧客は、多少条件が悪くても、売上を確保するために取引が続く可能性がある。

 一方で、規模の小さい荷主が非効率で高圧的な対応を続ければ、物流事業者が限られた人員や車両をやりくりするなかで、真っ先に取引見直しの対象となる可能性が高い。

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