「トラックを休ませた代償がこれですか?」 残業960時間規制で露呈した、物流が止まる“もう一つの現場”

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物流の主戦場が変わった。ドライバー残業960時間規制とEC14.6兆円の拡大で、制約は「道路」から「倉庫」へ移動。増え続ける物流施設と人手不足の乖離が、サプライチェーン全体の新たなボトルネックとして浮上している。

物流網の「つなぎ目」に潜む真の危機

物流イメージ(画像:写真AC)
物流イメージ(画像:写真AC)

 物流の2024年問題は決して過去の話ではない。負担の重しが移動したに過ぎないのだ。かつては道路上を走ることがボトルネックとなっていたが、これからは拠点内での処理能力が、物の流れ全体の限界を決める重しになるだろう。

 移動の効率化が一段落した今、次に向き合うべきは、荷が留まる「つなぎ目」の刷新である。物流の滞留は形を変えながら動き続けており、このうねりを見誤れば、別の場所でさらなる滞りを招くことになりかねない。

 速さを求める仕組みをどこまで維持し、現場の負担をどう適正化するか。そして膨らんでいくコストを誰がどのように分かち合うのか。解決の難しい問いが改めて突きつけられている。

 道路の渋滞は誰の目にも明らかだが、拠点の処理能力の限界は外からは見えにくい。しかしその不全は、気づかぬうちに確実に広がっている。

 物流を継続するための避けては通れない議論は、すでに倉庫の壁の内側で、静かに始まっているのだ。

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