「お客様第一」の終焉? カスハラ主犯は「50代以上の男性」――小田急電鉄が全70駅にボディカメラ導入、その理由とは
小田急全駅導入、ボディカメラが可視化する「客観的真実」

2026年4月16日、小田急電鉄は全70駅でボディカメラの運用を始めた。以下、その狙いを伝えるプレスリリースの抜粋だ。
「2026年4月16日(木)に、小田急線全70駅にて、駅係員の胸部に装着する小型のウェアラブルカメラを導入します。(中略)本カメラは、ホームを含む駅構内でのお客さま同士のトラブルや犯罪行為、カスタマーハラスメント等が発生した際に着用します。状況を的確に記録することで確実な情報提供や適切な判断・対応を行うとともに、録画していることの明示によりこれらの抑止効果を高めることや早期収束に寄与し、お客さまと駅係員双方がより安全に過ごせる環境の実現につなげます。当社では、暴力・暴言を含むカスタマーハラスメントの発生件数が増加傾向にあり、これらは駅係員の安全を脅かすだけでなく、周囲のお客さまへ本来提供するべきサービスの提供に支障をきたす事態にもつながると考え、サービス品質低下防止の観点からも本施策を導入します。さらに、駅構内の巡回時にも着用することとし、不審物の有無や駅設備の不具合箇所等を発見した際に状況を記録のうえ、関係各所へ正確かつ迅速に共有することで、必要な対応を速やかに行える体制を整え、駅構内のさらなる安全性向上に寄与します」
今回の全駅展開は、法的な要請に応えるための動きでもある。サービス業の現場を歩けば、被害にあった人の15.0%が深刻な悩みを抱え、仕事を離れるといった話も耳にする。
何が起きたのかを映像で残すことは、一方的ないい分を退け、何が正しいのかを見極める手間を省いてくれる。これまでは現場にいた人間の記憶に頼らざるを得なかったが、動かぬ証拠があれば対応にかかる時間を短くできる。本来の役割である安全な輸送に、すぐ力を戻せるようになるわけだ。
カメラを回していると相手に知らせることは、身勝手な振る舞いを許さないという経営側の強い思いの表れだ。駅を穏やかに運営していくための土台は、こうして一歩ずつ築かれつつある。理不尽な求めに応じる義務がないことを、現場と利用者の双方が再認識する時期に来ている。