ホンダ「韓国撤退」 空いた座を狙う新勢力の影、次に覇権を握るのは誰だ? 輸入車「2割」時代の構造変化
本田技研工業が韓国での四輪販売を終了する。販売はピーク時の1万台から2025年に1458台へ急減し、巨額赤字2.5兆円の中での撤退判断だ。輸入車比率2割超・EV比率3割に迫る市場変化のなか、日本勢の競争力低下と中国勢台頭の構図が浮かび上がる。
巨額赤字の決断と東アジア勢力の逆転

ホンダは2026年4月23日、韓国の現地法人であるホンダコリアが進めてきた四輪車販売を、同年内をもって終えることを決めた。2001年の法人設立、そして2004年の市場参入から数えて20年あまり。かつて輸入車ブームの一翼を担ったホンダの四輪事業が、静かにその幕を閉じる。
2026年4月現在、現地で働く従業員は84人を数えるが、販売を終えた後も修理や部品の供給、保証対応といったアフターサービスは維持される見込みだ。ホンダ側は今回の決断を、将来を見据えた競争力の底上げに向け、限られた経営資源をより重要な分野へ振り向けるための措置だと説明している。一方で、好調を維持する二輪車の販売については、今後も変わらず継続される。
背景にあるのは、ホンダ本体が抱える厳しい台所事情だろう。2026年3月期、同社は上場以来初となる最大2.5兆円もの巨額赤字を計上した。この未曾有の事態を前に、収益の上がらない部門を切り離し、組織を身軽にする決断を下した格好だ。
ソニーと組んだAFEELA(アフィーラ)の開発中止も、こうした流れと無縁ではない。高度なデジタル対応が当たり前のように求められる今の韓国市場において、ホンダはもはや、他社を圧倒するような技術的な強みを示せなくなっていた。
今回の撤退劇は、一企業の不振にとどまらない。日本メーカーが築いてきた地位が崩れ、代わって中国勢が勢いを増していくという、東アジアの産業構造そのものがひっくり返りつつある現状を、これ以上ないほど鮮明に映し出している。なぜホンダは韓国を去らねばならなかったのか。その背後に透けて見える日本車の地盤沈下と、空いた座を虎視眈々と狙う中国メーカーの動きを考える。