ホンダ「韓国撤退」 空いた座を狙う新勢力の影、次に覇権を握るのは誰だ? 輸入車「2割」時代の構造変化

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本田技研工業が韓国での四輪販売を終了する。販売はピーク時の1万台から2025年に1458台へ急減し、巨額赤字2.5兆円の中での撤退判断だ。輸入車比率2割超・EV比率3割に迫る市場変化のなか、日本勢の競争力低下と中国勢台頭の構図が浮かび上がる。

栄光の終焉と構造的な物流の弱点

ホンダ・アコードHV(画像:ホンダコリア)
ホンダ・アコードHV(画像:ホンダコリア)

 ホンダが韓国市場に足跡を残した20年余りの歩みを振り返ると、2008年がひとつの到達点だったといえる。当時は輸入車ブランドとして初めて年間販売1万台の壁を突き崩し、首位の座を射止めた。しかし、その輝きは長くは保てなかった。

 周囲の競合がブランドに磨きをかけ、高級路線へとかじを切っていくなか、ホンダは手薄な車種構成が足かせとなった。いつしか、価格と性能の釣り合いが取れていないという見方が広がり、勢いを失っていく。2017年にはセダンの「アコード」が健闘し、再び1万台の大台を回復したこともあったが、2019年に巻き起こった日本製品の不買運動が流れを止めた。それ以降、販売台数はかつての半分にまで落ち込んでいる。

 調査会社マークラインズの調べでは、2025年度の販売実績は1458台。前年度比で44%もの減少を記録した(『日本経済新聞』2026年4月24付け)。現代自動車とキアが市場の9割を握るという、極めて偏った構図のなかで、ホンダをはじめとする日本勢の影は薄くなる一方だ。もはや、市場から身を引くこと以外に道は残されていなかったのだろう。

 苦境を招いた背景には、物流の構造的な弱点もある。韓国で売る車を、米国オハイオ工場からの輸入に頼り続けたことだ。ここ数年のウォン安ドル高の進行は、そのまま輸入コストの跳ね上がりとなって経営に重くのしかかった。韓国市場に合わせた独自の調達網を築けず、北米生産の余剰分を融通するような体制では、為替の荒波を乗り切ることは難しかった。

 すでに日産も2020年に市場を去った。日本勢で踏みとどまるのはトヨタとレクサスだけとなり、韓国における日本メーカーの影響力は、終わりを迎えつつある。

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