ホンダ「韓国撤退」 空いた座を狙う新勢力の影、次に覇権を握るのは誰だ? 輸入車「2割」時代の構造変化
本田技研工業が韓国での四輪販売を終了する。販売はピーク時の1万台から2025年に1458台へ急減し、巨額赤字2.5兆円の中での撤退判断だ。輸入車比率2割超・EV比率3割に迫る市場変化のなか、日本勢の競争力低下と中国勢台頭の構図が浮かび上がる。
中国BYDの躍進と圧倒的な価格優位

ホンダが去った後に広がる隙間を奪い取ろうとしているのは、中国メーカーの急先鋒である比亜迪(BYD)だ。BYDは2025年4月に韓国での販売を始めると、年末までのわずか
「8か月」
で6108台を売り上げた。2026年3月には累計販売台数が1万台を突破。輸入車として最短記録を塗り替えた事実は、同社の名前が瞬く間に市場へ浸透したことを物語っている。
投入された「ATTO3」や「シール」、「シーライオン7」の3車種は、同格の競合車よりも1000万ウォン(約110万円)ほど安く値付けされた。この圧倒的な安さは、かつて日本車が得意とした「良質で手頃」という立ち位置を、EVという新しい姿で上書きしたといえる。
BYDは2026年に年間1万台を超える販売を掲げ、小型車「ドルフィン」やプラグインハイブリッド車の導入も進める構えだ。ショールームを35か所、サービスセンターを26か所へと広げる動きは、ホンダが20年という歳月をかけて築いた顧客とのつながりを、資本の力で一気に塗り替えようとする意志の表れにほかならない。
2025年の日本での販売が3000台余りにとどまったことと比べれば、その差は際立つ。思い入れやブランドの格よりも、性能と費用を鋭く見極める韓国市場において、部品から組み立てまでを自社で完結させる中国勢の供給網が、大きな威力を発揮している。