「もう雑魚寝には戻れない」――経常利益129%増、大阪の海運会社が“フェリー”の常識を作り替える新造船戦略
新日本海フェリーが2026年に新造船「はまなす」を就航、2025年の「けやき」と合わせ290億円投資。連結売上634億円・経常利益34億円の規模で進む更新投資と輸送拡大の実像を示す。
増収増益の続伸傾向

第58期(2024年4月1日~2025年3月31日)の有価証券報告書によると、新日本海フェリーを含むグループ全体の連結売上高は634億2,300万円、経常利益は33億9600万円である。連結売上高は前期比10.1%増、経常利益は129.0%増となった。旅客と乗用車の部門では、輸送人数と台数のどちらも前年を上回った。貨物車部門では、天候が安定していたこともあり、北海道の農産物の出荷量が前年を超えた。
北海道~舞鶴・敦賀の二航路では、宅配便などの雑貨やじゃがいも、牛乳の輸送が安定して増えた。北海道~新潟の二航路では、新潟航路の就航50周年の企画や便数の増加が寄与し、輸送量は前期を上回った。経常利益は年によって上下があるものの、売上高は第54期(2020年4月1日~2021年3月31日)以降、増加が続いている。近年は全体として好調が続いている。
同社は今後について、物価上昇により原材料費や人件費、各種費用が増えるおそれを挙げている。一方で、旅行需要の回復により利用者は戻りつつある。また、トラック運送では2024年度から労働時間の上限規制が導入されている。これにより、移動時間を短くできる同社の航路には利点があり、貨物輸送の海上輸送への移行が進むと見ている。
なお、新日本海フェリー単体の売上高は387億6300万円、経常利益は18億2400万円である。これはグループ全体の売上の61%、経常利益の54%を占める。形式上は関光ロジNEXT傘下の一社だが、実際にはグループの中核を担う存在である。構図としては、かつてのトヨタ自動車と豊田自動織機の関係に近い。