「もう雑魚寝には戻れない」――経常利益129%増、大阪の海運会社が“フェリー”の常識を作り替える新造船戦略
新日本海フェリーが2026年に新造船「はまなす」を就航、2025年の「けやき」と合わせ290億円投資。連結売上634億円・経常利益34億円の規模で進む更新投資と輸送拡大の実像を示す。
長距離航路網の形成過程

同社の母体である関光海運(現関光ロジNEXT)は、阪神、関門、北海道を結ぶ定期航路を運営する海運会社として始まった。1966(昭和41)年には傘下に阪九フェリーを設立し、小倉~神戸間で旅客と貨物を同時に運ぶ大型フェリーを就航させた。これにより、日本で長距離を運航する大型フェリーの先行例のひとつとなった。
1969年には新日本海フェリーと関釜フェリーを設立し、1971年には東九フェリーを設立した。この時点で、北海道から九州までを結ぶ長距離フェリーの運航網が形になった。現在は、新日本海フェリーを含む連結子会社12社と持分法適用会社2社でSHKライングループを構成している。事業は海運、貨物輸送、石油製品販売、ホテル、その他の五分野に広がっている。
創業から現在まで、入谷一族による同族経営が続いている。非上場企業ではあるが、決算書や有価証券報告書は公開されており、経営の内容は比較的把握しやすい。新日本海フェリーの大株主は、2025年3月31日時点で、
・関光汽船(現関光ロジNEXT):11.53%
・SHKライン:11.42%
・日本郵船:10.0%
・阪九フェリー:7.69%
・損害保険ジャパン:6.46%
などとなっている。
このほか、新日本海フェリー社員持株会や、グループ代表の入谷泰生氏も上位株主に含まれる。日本郵船や保険会社など外部資本も一部入っているが、全体としてはグループ企業間の持ち合いで運営される構造になっている。
なお、母体企業である関光ロジNEXTは、グループ全体の持株機能を持ちながら、通関業や港湾運送も行う事業会社でもある。純粋な持株会社ではない。