「結局、何が言いたいの?」 練馬のポストに届いた“豪華な紙”の正体――国際線35%増の裏で浮かぶ情報設計のねじれ

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国交省が配布したB3判4ページのチラシ。国際線35%増や騒音63.3dBなどの数値を並べる一方、「固定化回避」は専門用語に終始し見通しは不透明だ。住民向け説明としてのわかりやすさと実効性に疑問が残る。

後半で強まる空港利点の強調

練馬区で投函されたチラシ4面上段(画像:菅原康晴)
練馬区で投函されたチラシ4面上段(画像:菅原康晴)

 さらにチラシで住民が戸惑うのは、後半の部分である。

 主な内容は、

・羽田空港を発着する国際線の便数が2019年と2025年に比べて35%増えている
・それにともない乗降客数や輸出入額も増えている
・新飛行経路で落下物の確認が0件である
・各種の騒音対策に取り組んでいる

ことなどである。こちらは委員会の説明とは異なり、世界地図やグラフ、写真を用いて視覚的にわかりやすく示されている。

 このチラシを見た住民の多くは、前半の「固定化回避」については専門的な話で理解しにくく、後半では空港の重要性や騒音対策をわかりやすく伝えられたと受け取るのではないか。

 チラシの最後では、練馬区上空を通るのは南風時の15時から19時のうちおよそ3時間に限られること、区の職員研修所で続けている騒音測定では大型機の騒音が63.3dBで、事前に示された平均値を大きく下回っていることなどが記されている。

 筆者も練馬区上空を飛ぶ航空機を何度も見ているが、騒音については人によって感じ方がわかれる水準だと考える。63.3dBという数値が適切かどうかは判断が難しい。むしろ、昼夜を通じて車が走る道路の音の方が気になる場面も多い。

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