「結局、何が言いたいの?」 練馬のポストに届いた“豪華な紙”の正体――国際線35%増の裏で浮かぶ情報設計のねじれ

キーワード :
, ,
国交省が配布したB3判4ページのチラシ。国際線35%増や騒音63.3dBなどの数値を並べる一方、「固定化回避」は専門用語に終始し見通しは不透明だ。住民向け説明としてのわかりやすさと実効性に疑問が残る。

住民配布物としてのわかりにくさ

首都圏某所の上空を飛行する航空機(画像:菅原康晴)
首都圏某所の上空を飛行する航空機(画像:菅原康晴)

 筆者(菅原康晴、フリーライター)がこのチラシから受けた印象は、ひとことでいえば意図も中身もわかりにくいという点である。

 掲載内容のうち、第7回「羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討委員会」については、開催からおよそ2か月が過ぎている。国土交通省のウェブサイトで大まかな内容はすでに公開されており、それを

「あえて紙にして配る必要があるのか」

という疑問が残る。もちろん、インターネットを見ない人は一定数おり、航空機が上空を通る地域の住民に向けて知らせるという点では、無駄とまではいい切れない。ただ、知らせること自体はよいとしても、問題は中身にある。

 委員会の結果をまとめると、

・海上ルートの実現に向けた検討
・騒音負担の軽減
・情報提供の充実

といった内容である。海上ルートについては、RNP-AR方式と呼ばれる飛行方法の導入が必要とされること、騒音対策ではA320シリーズでの騒音低減の取り組みや、宇宙航空研究開発機構(JAXA)による機体騒音の低減に向けた研究が進められていることなどが記されている。国際的な動きも踏まえた説明としているが、専門的な言葉が多く、住民向けの配布物としてわかりやすいとはいい難い。

全てのコメントを見る