「車載カーナビは使いません」 このまま消滅? スマホ優先の約8割「持っているのに使わない」はなぜ起きているのか
1507人調査で見えたのは、ナビの主導が車内から外へ移った現実だ。全員が乗車前にスマホで経路を決め、車載機は再入力の場にとどまる。満足度51.5%でも利用が広がらない背景には、情報鮮度と操作負担の差がある。
車内ナビから外部環境への移行

メンバーズ(東京都中央区)が実施した調査(対象1507人)は、車載カーナビの現状を明らかにしている。利用は「車載カーナビ層」「スマートフォン層」「併用層」にわかれるが、ひとつ目立つ点がある。すべての対象者が、乗車前にスマートフォンで経路の検索を済ませていることだ。移動の中心にある目的地の選択や経路の確認は、乗る前の段階で終わっており、その多くはスマートフォンのアプリやカレンダー、SNSといった日常の情報の流れのなかで処理されている。
ナビの主導は、すでに車内から外のデジタル環境へ移っている。乗車後に車載カーナビへ目的地をあらためて入力する行為は、情報を写し替える作業に近い。この状況では、車載カーナビは中心的な役割を失い、大手IT企業の仕組みの下に位置づけられている。
スマートフォンを主に使う層の約8割は車載カーナビを持っているが、それを使っていない。その理由として
・普段通る道しか運転しないため(25.2%)
・地図データが古いため(22.4%)
・スマートフォンの方がナビ機能が優秀なため(22.2%)
が挙げられている。ここにあるのは、日常の道具として定着したスマートフォンが移動前の判断を担い、車載カーナビが担ってきた役割が小さくなった結果だろう。