「車載カーナビは使いません」 このまま消滅? スマホ優先の約8割「持っているのに使わない」はなぜ起きているのか
1507人調査で見えたのは、ナビの主導が車内から外へ移った現実だ。全員が乗車前にスマホで経路を決め、車載機は再入力の場にとどまる。満足度51.5%でも利用が広がらない背景には、情報鮮度と操作負担の差がある。
収益構造の変化と無料アプリの台頭

これまで自動車メーカーは、車内の体験の多くを自社のなかで完結させてきた。しかし今では、ナビの中身を支える要素が地図データ、検索機能、交通情報の配信、スマートフォンの基本ソフトへとわかれ、それぞれを動かしているのは自動車メーカーではなく大手IT企業である。その結果、完成車メーカーは車という器をつくる立場にとどまり、中身の動きを左右する力を弱めている。
この変化は収益の仕組みにもはっきりと違いを生んでいる。車載カーナビは車の購入時の追加料金や地図更新の費用で収益を得てきた。一方でスマートフォン向けの地図アプリは基本的に無料で使え、広告や利用者の情報をもとに収益を上げている。同じ目的の道具に見えるが、仕組みは大きく異なる。費用を追加で払わずに使えるスマートフォン側へ利用が流れるのは自然な流れでもある。
調査では、スマートフォン層が使う地図アプリは
・Googleマップ(68.2%)
・Yahoo!カーナビ(11.4%)
・Appleマップ(8.9%)
となっている。車載カーナビを持つ人が約8割いるにもかかわらず、IT企業のアプリが優先されている現状は、ナビの主導権がすでに自動車メーカーの手を離れ、
「複数の外部企業にわかれている」
ことを示している。車という閉じた空間にあった価値が、通信や情報の流れを担う外の仕組みに移り、メーカーは移動体験から得られる収益の入口を失いつつあるのだ。