「車載カーナビは使いません」 このまま消滅? スマホ優先の約8割「持っているのに使わない」はなぜ起きているのか

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1507人調査で見えたのは、ナビの主導が車内から外へ移った現実だ。全員が乗車前にスマホで経路を決め、車載機は再入力の場にとどまる。満足度51.5%でも利用が広がらない背景には、情報鮮度と操作負担の差がある。

位置精度を支える車両連携の強み

カーナビ利用の実態調査。
カーナビ利用の実態調査。

 しかし、車載カーナビがすべて不要になるわけではない。

 スマートフォンを使わない理由の1位は「運転中にスマートフォンの操作をしたくないため」(30.6%)であり、安全を優先する意識はいまも根強い。また前述のとおり、車載カーナビ層の51.5%がルート案内の正確さに満足し、37.1%が不満はないと答えている点は、厳しい車内環境でも使える専用機としての信頼を裏づけている。

 スマートフォンは、高い建物に囲まれた場所やトンネル、地下駐車場では位置の精度が落ちやすい。これに対し車載機は、車両の各部と連動し、タイヤの回転や車体の傾きといった情報を重ねて位置を補う。そのため、環境が変わっても現在地を保ちやすい。目的地の手前で案内が終わる車載カーナビの仕様と、駐車場の入口まで導いてほしいという利用者の要望は、車と一体になった仕組みが力を発揮しやすい領域を示している。

 車載カーナビが使われない理由を性能の問題と見るのは正確ではない。問題は競う場そのものが変わったことにある。目的地へ導く機能は広く行き渡り、価値は移動の前後にある動きのある情報へと移っている。これから求められるのは、検索や計画といったスマートフォン側の領域で競うことではない。

 スマートフォンからの指示を受け取り、実際の走行を安全に終えるための役割である。情報の入口はスマートフォンに任せ、最後の難しい場面を支えるところに意味が残る。そこに車載機の立ち位置があるのだろう。

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