「もう商売になりません」 路線バス事業者の99.6%が赤字経営――それでもあきらめない、地域住民が守る“最後の足”の挑戦とは

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全国の路線バス事業者の99.6%が赤字に直面するなか、地域住民が主体となる小型バス運行が注目を集める。岐阜・高山市では年間約1300万円のコスト削減に成功し、交通空白地での移動確保とコミュニティ形成の両立が進んでいる。

送迎車両の共同利用促進

路線バスのイメージ(画像:写真AC)
路線バスのイメージ(画像:写真AC)

 国土交通省のデータによれば、2025年4月時点で路線バスやタクシーが利用しにくい交通空白地域は全国で約2000か所に上る。国は2027年度までを交通空白集中対策期間と位置づけ、解消に向けた取り組みを進めている。

 こうした流れのなかで、3月10日に政府は地域交通法改正案を閣議決定した。改正案では、地方自治体が中心となり、

・スクールバス
・デイサービス送迎車
・病院送迎車

など、空き時間を使った車両とドライバーの共同運行による旅客サービスを支援する。財政面の補助や手続きの簡略化を通じ、地域の実態に応じた柔軟な運行を後押しする狙いがある。

 背景には、公営・民営の従来型路線バス運行が限界に近づき、既存モデルの維持が困難になっている事情がある。法改正によって、一般のドライバーがマイカーで有償運送を行うライドシェア的な取り組みも進むと期待される。国の政策は、もはや従来型バス事業者の限界点を直視し、住民主体の交通サービス創出に舵を切ったといえる。

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