「もう中国産に頼らない」ドイツで確認された巨大リチウム資源! EV年間50万台分ーー欧州域内供給網に変化の兆しか
ドイツ・アルトマルクで確認された約4300万tのリチウム資源は、年間50万台分のEV電池に相当し、欧州の域内供給網と産業競争力を大きく変える可能性を秘める。日本企業にも戦略的対応が求められる。
EV産業への影響

欧州は環境規制を背景に電動化へ大きくかじを切っている。欧州連合(EU)は2035年に内燃機関車の規制を強化する方針を示しており、フォルクスワーゲン、BMW、メルセデス・ベンツなどのメーカーは、競争力を保つために膨大な量のバッテリーを安定的に確保する必要がある。
これまで欧州はリチウム原料や精製工程の多くを
・中国
・南米
・オーストラリア
に依存してきたが、これが供給網の大きなリスクとなっていた。ドイツでのリチウム確保は、この依存から脱し、域内で付加価値を完結させるための基盤となる。
EUの「重要原材料戦略」では、2030年までに戦略鉱物の10%を域内で採掘し、40%を域内で加工、特定国への依存度を65%以下に抑える目標が掲げられている。アルトマルクの資源は、この高い目標を現実に裏付けるものだ。さらに、ドイツ南西部オーバーライン地溝帯では地熱発電を活用したプロジェクトが進行中で、年間2万4000tの水酸化リチウム生産を目指す。これらが実用化されれば、欧州のバッテリー産業の自律性は飛躍的に高まる。
域内供給網の確立は、欧州電池規則への対応にも有利に働く。2025年以降、バッテリー製造における二酸化炭素排出量の開示や上限設定が厳格化されるなかで、輸送距離が短く、地熱エネルギーを利用して抽出されるドイツ産リチウムは、他地域産に比べて圧倒的に有利だ。欧州メーカーは物理的な資源の確保と同時に、規制クリアのコストも最小限に抑えられる。
採掘から電池製造、車両組み立てまで域内で完結できれば、地政学的変動に左右されない強固な産業構造が形成されるのだ。