「静岡空港を世界と直結させます」 ANA事実上撤退、どう打開? 3年で11倍成長の決済規格は変化を生めるのか
地方空港の生き残り戦略として、富士山静岡空港はクレジットカード「クレカ乗車」を導入。2026年2月の利用件数は598万件に達し、空港到着後の移動効率と地域経済活性化を同時に狙う。
デジタル化による地域活性化

静岡鉄道が進める支払いのデジタル化は、連結売上高1800億円を誇る企業集団が、地元の商圏を世界へ直結させる意思表示でもある。ANAの撤退という現実を前に、ベトジェットエアという新たな需要を呼び込むには、空港から市街地への移動にともなう負担を徹底的に取り除く必要がある。今回の導入は、外部からの資金を静岡市内へ確実に流すための経路を整える作業だ。
三井住友カードが2026年3月9日のシンポジウムで示したように、タッチ決済による移動は「クレカ乗車」と呼ばれ、全国共通の社会インフラへと発展している。今後は、移動の記録を「新静岡セノバ」などの商業施設での購買へつなげる具体策が求められる。例えば、乗車に応じてVポイントを付与する仕組みや、神戸市で実証実験が始まったマイナンバーカード連携による敬老割引は、地域住民にも大きな利点となるだろう。
地域住民との絆を担うLuLuCaを維持しながら、世界標準の支払規格を併用する手法は、人口減少社会における地方インフラの生存確率を高める有効な手段だ。地方空港の生き残りは、空の便を増やすことだけでなく、降り立った後の経済活動をいかに円滑にするかにかかっている。今回の決断は、静岡を訪れる人々の体験を変え、地域経済の活性化に直結する重要な要素となるだろう。