「静岡空港を世界と直結させます」 ANA事実上撤退、どう打開? 3年で11倍成長の決済規格は変化を生めるのか

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地方空港の生き残り戦略として、富士山静岡空港はクレジットカード「クレカ乗車」を導入。2026年2月の利用件数は598万件に達し、空港到着後の移動効率と地域経済活性化を同時に狙う。

富士山静岡空港の方向性転換

富士山静岡空港のウェブサイト(画像:富士山静岡空港)
富士山静岡空港のウェブサイト(画像:富士山静岡空港)

 富士山静岡空港を取り巻く環境は大きく変化している。2026年10月には全日空が札幌線と沖縄線の運休を決め、事実上の撤退となった。2009(平成21)年の開港以来、運航を続けてきた航空会社の判断は、従来の運営モデルが限界に達していたことを示している。

 一方で、富士山静岡空港は東南アジアからの旅客誘致に活路を見出している。2026年4月28日からはベトジェットエアによるハノイ線が就航し、開港以来初めて東南アジアとの定期便が実現する。

 こうした格安航空会社の利用者は、片道1万円台という低運賃の恩恵を受ける一方、移動の効率を重視する。2025年の訪日外国人旅行者が4268万人に達するなか、日本の交通系ICカードを持たない層にとって、空港到着直後の現金支払いは負担となる。

 実際、関西エリアでは3月1日から関西国際空港や大阪空港のリムジンバス260台で「クレカ乗車」が開始された。静鉄バスが空港線を優先導入したのは、この世界的な流れに乗り、到着旅客を滞りなく市街地へ導く戦略である。旅客の属性変化に合わせ、地上の移動手段を国際規格へ接続することは、空港の存在価値を守る具体的な手段となる。

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