市場拡大と主導メーカー――スズキが握る4割シェア【短期連載】インドは自動車産業にとって桃源郷となり得るのか(2)
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世界第3位の自動車市場に浮上したインド。2025年は551万台、伸び率5.5%で主要国中トップの成長を示した。4割を握るマルチ・スズキを軸に、日韓勢優位の構図は揺るがないが、高関税見直しやFTAを追い風に欧州勢も攻勢を強める。生産拠点としても存在感を高めるインドの実像に迫る。
生産拠点としてのインドの実力

インドは2047年までに国内総生産(GDP)を10倍、製造業を15倍に拡大する目標を掲げている。為替水準や人件費の差を背景に、自動車メーカーにとっても有力な生産拠点と映る。消費市場としての成長力に加え、生産拠点としての競争力も備え、インドは各社が注力する地域となっている。
スズキは2024年、インドから約33万台を115か国へ輸出した。ホンダは2020年にインドの工場を2拠点から1拠点へ集約したが、コスト競争力を生かし、現地生産のSUVを日本で販売している。低コストでの生産が可能な環境に加え、アジア、欧州、中東、アフリカへアクセスしやすい地理的条件も強みである。
さらにインドはIT分野の強化を進めており、自動車産業におけるデジタル分野でも存在感を高めている。次回は、IT人材や労働力の供給源としてのインドに焦点を当てる。