「地球は大事、でも明日届けて」 アマゾン排出量33%増の衝撃――利便性の追求が招いた、物流網の構造的変化
2024年、AmazonのCO2排出量は2019年比33%増。自社航空網やAI需要で膨張する物流とデータセンターが環境負荷を加速する中、気候誓約を通じた脱炭素戦略の成否が、企業と地球の未来を左右する。
気候誓約の狙い
Amazonは2019年9月19日、気候変動対策を推進するGlobal Optimismと共同で「The Climate Pledge(気候誓約)」を発表し、最初に署名した。2040年までに排出量の実質ゼロを目指すもので、2026年時点で世界中の500を超える組織が賛同している。
これは、自社の基準を世界の供給網の標準とすることで、環境対応が遅れた事業者が市場から淘汰される状況を作ろうとする戦略とも見える。
署名企業の取り組みを見てみると、P&Gは2010年から2020年にかけて排出量を52%削減した。アパレルのASOSは2016年度から2021年度に注文1件あたりの排出量を45%減らしている。Nestle Nespresso S.A.も2022年までに対策を強化し、供給網全体の削減に着手した。
HPは海洋保全や森林回復を含む長期計画を進め、Salesforceは取引先との契約に環境対策の条項を盛り込むことで、協力会社の行動も促している。
こうして有名企業の参加は広がっているが、発足以降も排出量は増加を続け、自然災害の被害も深刻さを増している。目標を達成するには、現在の取り組みを大幅に上回る速度での行動が必要である。