「若者だけの街ではありません」東急百貨店跡地に生まれる巨大建物の正体――渋谷再開発が辿り着いた意外な着地点とは

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迷走の「サグラダ・ファミリア」は2034年に終焉へ。百年に一度の渋谷再開発は、東急本店跡地の新事業を機に「遊ぶ」から「住む」街へ質的変容を遂げる。日本初進出の高級ホテルを核に、隣接する松濤の富裕層を狙う新戦略の勝算は。飽和する商業・オフィス市場を脱し、東急が描く次なる渋谷の真価を問う。

地上34階・「居住」「滞在」機能中心の構成

再開発工事が続く渋谷駅周辺(画像:菅原康晴)
再開発工事が続く渋谷駅周辺(画像:菅原康晴)

 一連の渋谷再開発のなかで、いま注目を集めているのが、駅からやや離れた場所に位置する「渋谷アッパー・ウエスト・プロジェクト」だ。東急など3社が出資する特定目的会社を通じ、2023年に閉館した東急百貨店本店跡地に、商業施設、ホテル、集合住宅で構成する地上34階建ての複合ビルを建設する計画である。

 隣接する東急文化村の「Bunkamuraザ・ミュージアム」は、複合ビル7階へ拡大移転する。既存建物の解体はすでに完了し、敷地は更地となった。かつて百貨店が建っていた場所をL字型に囲む東急文化村の裏側の壁面が、現在はあらわになっている。

 ホテルには、スモールラグジュアリーホテルとして日本初進出となる「The House Collective(ザ・ハウス・コレクティブ)」の出店が決まっている。集合住宅は賃貸とし、分譲の予定はない。商業施設の詳細は公表されていないが、百貨店業態が復活する可能性は低いとみられる。

 客室数や住戸数は明らかにされていないものの、地下1階から7階を商業施設とミュージアム、8階から17階をホテル、18階から33階を集合住宅とする構成だ。フロア配分を見る限り、全体に占める集合住宅の比重は大きい。これまでの再開発が商業施設やオフィス中心だったのに対し、同プロジェクトは「住む」「滞在する」機能に軸足を置く計画となっている。

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