「黒字で赤字線を救う」は限界?――JR3社が内部補助を否定、100年前の鉄橋を誰が直すのか
国鉄分割民営化から40年。輸送密度1000人未満の赤字ローカル線が拡大するなか、JR3社は内部補助の限界を宣言した。人口減と老朽化が進む地方鉄道の維持費を誰が負担するのか。国の責任と公共性の再定義が迫られている。
自治体の反論

これに対し、自治体はJR各社に内部補助での赤字ローカル線運行を求めている。
・国鉄を継承し、国鉄の赤字返済に税金が充てられた以上、JR各社には公共性がある
・コロナ禍の収束後、JR各社の経営が好転している
・南海トラフ大地震など大規模災害に備え、鉄道ネットワークの維持が必要
・路線の一部廃止でも地域社会の衰退を招きかねない
などが理由だ。
2025年8月にあった国交省と地方の意見交換会や、全国第1号として国の再構築協議会が設けられた芸備線・備中神代駅(岡山県新見市)~備後庄原駅(広島県庄原市)間の協議でも、自治体がこれらの理由を掲げ、鉄道ネットワーク維持を求めた。
広島県公共交通政策課は「このままではJR各社の恣意的な判断で路線廃止が際限なく広がりかねない。JR各社には公共性がある。黒字なら、内部補助で路線維持に努めるべきだ」と反発している。
自治体が強硬姿勢を崩さない背景には、財政事情の厳しさがある。人口減少で税収が減るなか、住民の高齢化で社会保障や医療、福祉関係の支出は増える一方。庄原市地域交通課は「小規模自治体が鉄道路線の維持に割ける予算は限られる。JRの主張は現実を見ていないのでないか」と首をかしげた。