「メシより新車、プライド最優先」 アメリカ人は車で相手を格付けする!? 7割が認めた「クルマこそ最強の名刺」という価値観

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米国では新車平均価格が5万ドルを超えるなか、中間所得層の54%が購入を検討。車は移動手段を超え、社会的信用や個人の価値を映す指標として存在感を増している。

憧れと現実のギャップが生む短期売却

自動車(画像:Pexels)
自動車(画像:Pexels)

 車の所有には、心理的な見栄の側面が付きまとう。こうした感情は、中古車市場の流通にも一定の影響を与えている。米国では、他者からの評価や優越感を得るために、自身の収入や必要性を超えてブランドや高級車を選ぶ傾向がある。

 調査によれば、米国人男性の11%は、将来のパートナーによい印象を与えるために、無理をして高額な車を購入した経験があると答えている。さらに12%が、社会的な見栄を理由に分不相応な高級車を手にしたことがあると認めた。購入動機を細かく見ると、10%が成功者に見られたい、8%が裕福に見せたい、8%が他者からの評価を高めたい、7%がデートで好印象を与えたいという理由を挙げている。

 しかし、こうした感情に基づく選択は、現実のコストによって早く修正されることが多い。自動車調査サイト「iSeeCars.com」の分析では、米国で販売された新車の平均3.6%が購入から1年以内に転売される。高級車に限れば、その割合は10%を超える。ランドローバー・ディスカバリースポーツの場合、初年度の売却率は28.3%に達し、3割近いオーナーが1年未満で手放す実態がある。

 こうした短期売却は、高級車の維持費の高さが背景にある。保険料やメンテナンス費用が家計を圧迫し、理想や憧れだけでは所有を続けられない現実が浮かび上がる。皮肉にも、この動きが中古車市場に高年式かつ品質のよい車を供給することになる。

 日本市場では新車販売の約4割を軽自動車が占めるため、ここまで極端な例は少ないかもしれない。しかし、自身の支払い能力を超えた選択が生活を圧迫するリスクは共通している。周囲の目を意識した消費がもたらす結果には、注意を払う必要があるだろう。

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