率直に言う 「EVか、エンジン車か」というネット論争は、本当に時代遅れで“無意味”である

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自動車産業は電動化や自動運転の進展で構造変化を迎えた。販売網や工場を活かし、AIと走行データを軸にサービス収益を最大化できる企業だけが競争を制する。

所有からサービスへの転換

テスラのオートノミーアルゴリズム(画像:テスラ)
テスラのオートノミーアルゴリズム(画像:テスラ)

 産業構造は、車両を個人の所有物として販売するモデルから、

「移動そのものをサービスとして提供する」

方向へと大きく変わろうとしている。新車の販売台数が減少傾向にあったとしても、稼働率の向上によって総走行距離が増えれば、新たな収益基盤が生まれる可能性は高い。消費者の価値観も、運転の楽しさから移動時間の活用へと徐々に移行している。移動中に休息したり、仕事に集中できたりする効用は、自動車という空間の意味合いを根本から書き換えつつある。

 こうした変化のなかで、ブランドや車種といった物理的な差異はかつてほど重みを持たなくなる。代わりに

・車載OSの完成度
・AIの推論精度
・運行の安定性

といった要素が新たな競争軸となる。メーカーの優位性はもはや工場の生産能力に左右されず、どれだけ質の高い学習データを収集し、迅速にサービスに反映できるかというソフトウェア中心の力に依存する局面へと向かっている。

 自動運転の普及は、労働市場と都市の構造に大きな変化をもたらす。従来タクシーや物流を支えてきたドライバー職は、ロボタクシーのフリート管理やAI監視へと置き換わり、有人運転はもはや趣味的な選択肢として残るにすぎなくなる。都市空間では、車両の所有率低下にともない広大な駐車場の需要が急速に縮小する。かつての駐車場は緑地や住宅用地へと姿を変え、物理的な近接性を前提にした地価形成の論理も揺らぎ始めるだろう。

 移動にともなう認知的負荷がほぼ消失することは、居住地選択の制約を薄める。自動車産業は、鉄を加工して販売する製造業の枠組みを超え、都市のライフラインを支えるインフラ運営事業へと変化を迫られる。企業経営者には、過去の製品ポートフォリオの延長線上での戦略では通用せず、

「都市の持続可能性に資本を振り向ける判断」

が問われる場面が近づいているのだ。

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