EVバッテリー革命? 「純度99.79%リチウム」回収に米研究チームが成功、リサイクル率5%の壁を突破なのか
使用済みEVバッテリーから純度99.79%のリチウム回収技術が実証された。リサイクル率わずか5%の現状を一変させ、環境負荷低減とサプライチェーン強靱化を両立。次世代バッテリー実用化競争の行方に注目が集まる。
産業化を左右する規制とインフラ整備

一方で、産業規模での導入にはなお課題が残る。現時点では実証段階にとどまり、材料認証やリサイクル基準を巡る制度整備が欠かせない。環境問題への対応は各国共通の課題であり、高い回収率を求める規制や国際標準の整備は今後進むとみられる。
こうした制度動向は、次世代リサイクルインフラへの投資を後押しする要因となる。ただし、大量処理を前提とする以上、設備投資の負担は小さくない。
将来的には、電動化されたリサイクル工場や、回収から再製造までを一体化した閉ループ型サプライチェーンが現実味を帯びる。バッテリー製造工程との統合が進めば、工程全体の効率は高まる。自動化技術の導入により、安全性と処理能力の向上も期待される。
今回の技術的な前進を受け、今後は産業界を巻き込んだ実用化の動きが加速するとみられる。バッテリー分野の研究開発は各国で進み、次世代技術の主導権を巡る競争は一段と激しくなっている。
日本のモビリティ産業は内燃機関に強みを持つ。そのため、EVはしばしば対抗軸として語られてきた。ただし、バッテリー技術の射程は自動車に限られない。スマートフォンやパソコン、住宅用エネルギーシステムなど、応用分野は幅広い。
今後の焦点は、次世代バッテリー技術をどれだけ早く、実用レベルまで引き上げられるかにある。技術開発だけでなく、産業化と市場展開のスピードが競争力を左右する。