愛媛・伊予鉄バス「ハンドルなし11人乗り」が新時代を切り開く? 1月からレベル4本格運行、ドライバー不足3.6万人に挑む
愛媛・松山市で伊予鉄バスが2026年1月、国内初の運転席無人レベル4自動運転バス営業運行を開始する。人口50万人規模の市街地での運行は、全国の交通事業者が抱えるドライバー不足解消の切り札として注目され、自動運転社会への本格的な転換点となる可能性がある。
第一の目的はドライバー不足解消

自動運転は自動化技術に応じ、レベル1から5まで5段階に分けられている。このうち、レベル4は限定されたエリア内や特定のルートでシステムが信号や標識の確認、発進、停止などすべてを担い、無人運行もできる。
レベル4自動運転は2023年の道路交通法改正で解禁された。その背景には、深刻さを増す路線バスのドライバー不足がある。日本バス協会によると、全国のドライバー数は2024年度の10万8000人が2030年度に9万3000人に減る見通し。時間外労働規制の影響も考慮すると、2024年度の路線維持に3万6000人が不足する。
ドライバー不足による路線廃止や減便は全国で後を絶たない。富山県富山市の細入地区では、富山地方鉄道の路線バス廃止で公共交通に穴が開いた。高知県高知市の一宮地区では、とさでん交通の路線が1日10往復以上から2往復に減便され、丘陵にある団地の居住者らが不便をかこっている。
伊予鉄バスも2023年、新居浜特急線を1日4便から1便、八幡浜・三崎特急線を1日3往復から1往復に減便、松山観光港行きリムジンバスを全便運休したほか、松山市で最終便の繰り上げや日中の減便をするなど、観光や長距離路線を中心に大幅減便に踏み切った。
全国の交通事業者はドライバー確保に躍起になっているが、「思うようにドライバーが集まらない」(京都市交通局)と頭を抱えている。
民間のバス会社間では、ドライバーの引き抜き合戦さえ珍しくない。このため、国や地方自治体、交通事業者はドライバー不足解消の切り札としてレベル4自動運転に期待しているわけだ。