赤字2.9億円、ほぼ観光依存…「静岡の地方鉄道」独自戦略で再起は可能なのか?

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大井川鐡道は全長65kmの「鉄道テーマパーク」として観光輸送に依存し、本線運賃収入の96%を占める。しかし鉄道事業は年2.9億円の赤字。その他事業の黒字8328万円が支え、復旧待ちの不通区間を抱えつつも、収益構造の強靭さが際立つ。

鉄道本業を上回る非鉄道収益

食堂車「Train Dining オハシ」で提供する食事(画像:大井川鐡道)
食堂車「Train Dining オハシ」で提供する食事(画像:大井川鐡道)

 前述の基本情報では、大井川鐡道の収支も公開されている。2023年の鉄道事業による営業収益は5億7633万2000円で、営業費用は8億7017万3000円。差し引きで

「2億9384万1000円の赤字」

となった。一方、同年のその他事業による営業収益は8億772万1000円、営業費用は7億2443万7000円で、8328万4000円の黒字となっている。

 鉄道事業の赤字を完全にカバーするには至っていないものの、この収支を見ると、実際にはその他事業の方が本業を上回っているのが実態だ。

 では、その他事業とは何か。この基本情報では具体的な内容は明かされていない。しかし、タクシーやバス、旅行業などはグループ会社に移管されているため、直営の事業はホテルなどの運営受託施設や弁当・各種グッズの販売収益などが中心と考えられる。

 ちなみに、その他事業の収益は2016年の2億187万7000円から2017年に6億4683万4000円へ急増した。その後、コロナ禍で一時大きく落ち込んだものの、2021年には6億1483万5000円まで回復し、本業を上回る状況が続いている。

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