「現場は疲弊」「廃線も視野」 ローカル鉄道を揺さぶる“脱炭素”というジレンマ! 「非電化区間」に迫るGX投資の現実とは
地方鉄道のCO2排出は全体の約2%にすぎないが、非電化区間での化石燃料依存や老朽車両の更新費用は1両2億円前後に達する。GX投資の負担と技術革新のジレンマが、地方公共交通の持続可能性と社会的価値の再定義を迫る。
地方鉄道の制度的制約

ハイブリッド気動車はクリーンであり、鉄道業界からの期待は高い。しかし導入費用は高額で、液体式ディーゼル気動車の2倍から4倍かかる。
メンテナンス方法も既存の気動車とは異なるため、新たな技術者や要員が必要になる。蓄電池は定期的に更新しなければならず、ライフサイクルコストの面では逆効果になる場合もある。
国土交通省鉄道局はハイブリッド気動車への税制優遇を講じている。「低炭素化等に資する旅客用新規鉄道車両」(特急用車両などを除く)は、条件を満たせば取得後5年間、固定資産税の課税標準を中小事業者以外は3分の2、中小事業者は5分の3に軽減する。「カーボンニュートラルに向けた投資促進税制」でも鉄道車両が対象になる。
だがこうした補助制度は大手鉄道事業者を想定していることが多く、中古車両で対応する地方鉄道には恩恵が届きにくい。現場では
「GXの掛け声だけが先行し、現場が疲弊する」
という声が聞こえる。
その結果、地方鉄道では車両導入による事業存続より、廃線やバス転換のほうが合理的と判断されるリスクもある。GXと地方鉄道の存続は両立できるのか、課題は大きい。