「現場は疲弊」「廃線も視野」 ローカル鉄道を揺さぶる“脱炭素”というジレンマ! 「非電化区間」に迫るGX投資の現実とは

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地方鉄道のCO2排出は全体の約2%にすぎないが、非電化区間での化石燃料依存や老朽車両の更新費用は1両2億円前後に達する。GX投資の負担と技術革新のジレンマが、地方公共交通の持続可能性と社会的価値の再定義を迫る。

気動車更新の高コスト

GXイメージ(画像:写真AC)
GXイメージ(画像:写真AC)

 日本の鉄道には電化区間と非電化区間がある。電化区間は全体の63.7%、非電化区間は36.3%を占める。北海道、四国、九州など本州以外のJRでは非電化が過半数を占め、第三セクター鉄道でも非電化路線が多い状況だ。

 鉄道のCO2排出の約4.8%は内燃動車によるもので、排出量は48万tに上る。鉄道全体のCO2排出量は993万tで、電車走行による排出は704万t、全体の70.9%を占める。

 既存の気動車は液体式で、

・ディーゼルエンジン
・液体式変速機

を組み合わせて走行する。エンジンの回転が列車の動きに直接反映される仕組みだ。

 既存の気動車は老朽化が進んでいる。更新には1両あたり2億円前後のコストがかかる。特に気動車依存が高く、走行環境の厳しいJR北海道では2024年度決算で鉄道事業の営業損失が約589億円に達しており、設備投資の余力は乏しい。

 電化やVVVF化(全車両の高効率化)は大手鉄道しか実施できない構造だ。電化可能な区間はすでに電化済みである。小規模なJRや地方の私鉄、第三セクターでは、利用者減少に加え、GX投資の負担が新たな経営圧力となっている。

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