私たちはなぜ「運転」に甘く、タバコに厳しいのか? 「車は特別」という大勘違い! 優遇バイアスを考える

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現代社会は、無意識のうちに車中心主義に毒されている。英欧米2407人を対象とした調査では、人々は喫煙には厳しい一方、運転に関しては過半数が寛容。公共の安全や社会的害への感度の差が、交通事故や環境負荷の温床になっている現実が浮かび上がる。

非ドライバーの軽視構造

論文「なぜ自動車は特別扱いされるのか?モトノーマティビティという社会的・生態学的な根源」(画像:Global Environmental Change)
論文「なぜ自動車は特別扱いされるのか?モトノーマティビティという社会的・生態学的な根源」(画像:Global Environmental Change)

 ウォーカー氏とオランダ・アムステルダム大学のマルコ・テ・ブロメルストロート氏は、2025年2月に「Global Environmental Change」で研究を発表した。研究ではオランダ、英国、米国の計2407人を対象に、モトノーマティビティの程度を測定した。

 測定には、ふたつの対になった質問が用意された。ひとつは「人口密集地では他者がタバコの煙を吸ってしまうので喫煙すべきではない」。もうひとつは「車の排気ガスを他者が吸ってしまうので人口密集地帯では運転すべきではない」である。

 参加者はそれぞれの発言への同意度を7点満点で評価した。結果、喫煙などモラルの低い行為を批判する発言には高く同意した。一方、運転に関するモラルの低い行為にはあまり同意しない傾向が明らかになった。

 ウォーカー氏によれば、車を運転しない人も、インフラやメディア、法執行機関などから送られる「車の重要性」を訴える文化的メッセージを無意識に内面化している。つまり、非ドライバーもモトノーマティビティの影響を受けているのだ。

 非ドライバーはモトノーマティビティによって社会的に軽視されている存在であり、自身もそれを理解しているという。歩行者や自転車利用者が路上で軽視されるべきではないが、現実にはその空気を感じざるを得ない状況が存在する。

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