「見たいクルマがない」 自動車ディーラーに行っても“展示車不足”で購入意欲が削がれるワケ

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自動車ディーラーで「見たいクルマがない」と感じる顧客は少なくない。J.D.パワー調査では、展示車の種類が顧客満足度に直結し、種類が豊富な場合は772ポイント、購入車と同モデルの展示車は半数未満にとどまる現状が示された。

顧客満足と展示戦略

自動車ディーラーのイメージ(画像:写真AC)
自動車ディーラーのイメージ(画像:写真AC)

 展示車がすべて揃わない最大の理由は、物理的な制約にある。展示スペースには限りがあり、

・全モデル
・全グレード
・全カラー

を常に展示することは不可能だ。さらに、販売実績が少ないモデルや特殊な仕様の車を置けば、在庫が圧迫され、管理コストも増える。このため、多くのディーラーは売れ筋モデルや来店客の特徴に応じて展示車を選んでいる。

 しかし、ここで問題になるのが予測の精度である。来店する顧客の希望は多様であり、過去の販売データや地域の傾向だけでは正確に把握できない場合がある。

 J.D. パワー ジャパンの調査では、新車購入時に参考にした情報として、

・車のカタログ・パンフレット(紙・デジタルを含む)(44%)
・販売店の展示車/試乗車(39%)

であった。展示車で確認することは、顧客が購入を決める上で重要であることがわかる。しかし、購入した車と同じモデルの展示車があった割合は

「48%」

にとどまり、半数に満たない。この差は、ディーラーの在庫管理や展示戦略に制約があることを示している。

 さらに、購入を決める要因として、価格よりも担当者の

・説明
・対応のよさ

が重視される傾向が強い。残価設定型ローンやリース・サブスクリプションを利用した顧客のうち、52%が「セールス担当者/商品アドバイザーの対応がよかった」と答えている。価格条件は決定的な要因ではない。高度な技術や装備を持つ車が増えるなかで、顧客は展示車と担当者の説明を通じて初めてその価値を理解する。展示車の不足は、販売機会の損失につながる。

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