“怒り顔”自動車が男性ドライバーを挑発? 人気デザインの裏側に潜む「攻撃的運転リスク」と心理的影響

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身の回りの“顔っぽい”デザインは、脳が無意識に認識する現象だ。自動車でもフロントフェイスの“怒り顔”は人気だが、米研究では男性ドライバーに挑発行動を引き起こす可能性が指摘され、購入行動との乖離も浮き彫りになっている。

車擬人化が行動を左右

論文「対面:自動車デザインの認識」(画像:Human Nature)
論文「対面:自動車デザインの認識」(画像:Human Nature)

 少し恐そうに見える“怒り顔”の車が人気を集めている現象は、路上を見れば否定できない。しかし、この状況には注意を促す研究もある。攻撃的な“怒り顔”の車は、

「男性ドライバーの挑発を引き起こす可能性」

があるのだ。

 ハンドルを握ると人格が変わるタイプのドライバーが存在するといわれる。そのようなドライバーにとって、“怒り顔”の車の人気は厄介かもしれない。対抗心が刺激され、攻撃的な運転行動を取ってしまう可能性があるからだ。

 米デトロイトマーシー大学の環境工学教授、アラン・ホバック氏は2019年、「Transportation Research Interdisciplinary Perspectives」で、運転行動が車両を“顔”として認識するかどうかと有意に関連していることを報告した。

 実験には89人が参加した。車両の前面と後面のデザインが顔のように見えるか、あるいは“怒り顔”と解釈できるかを5段階で評価させた。たとえば、2017年式マツダ・アクセラのフロント“怒り顔”度は平均3.88、リアは平均2.85と高評価を受けた。

 その後、参加者には、後ろから怒っているドライバーに追いかけられた場合の対応を尋ねた。分析の結果、車両を擬人化して認識する行為は、攻撃的行動であれ防御的行動であれ、過剰に反応する可能性を高めることが明らかになった。

 男性は攻撃的な運転手を見ると攻撃的に反応する傾向が強く、女性は攻撃的な運転手から逃げる傾向が強かった。いずれにせよ、運転行動は車両を“顔”として認識するかどうかに有意に関連していることが示された。

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