“怒り顔”自動車が男性ドライバーを挑発? 人気デザインの裏側に潜む「攻撃的運転リスク」と心理的影響
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威圧感が高評価の法則

自動車のフロント部分も、われわれの目には“顔っぽい”ビジュアルとして映る。かつての研究では、人間の脳は自動車の“表情”にも敏感に反応することが報告されている。
オーストリア・ウィーン大学などの研究チームは2008年、「Human Nature」で自動車の“顔”に対する人々の嗜好を発表した。興味深いことに、参加者は
・怒った表情
・意地悪な表情
を好む傾向があることが明らかになった。
実験には男性20人、女性20人が参加し、2004年から2006年に発売された乗用車38車種のフロントデザインを評価した。車の“顔”について、
・大人っぽい
・子どもっぽい
・男性的
・女性的
・支配的
・協調的
・幸せそう
・悲しそう
・神経質そう
・傲慢そう
・怒りっぽい
・優しい
・恐そう
・嫌悪感
・好感
・外向的
・内向的
・敵対的
の18種類の特徴を分類し、好みの度合いを評価した。さらに、車種ごとに“顔の特徴”を図示することも求められた。
分析の結果、
・大人っぽい
・支配的
・傲慢そう
・怒りっぽい
・男性的
・敵対的
といった、力強さを連想させる特徴の“顔”が高い評価を得ていた。典型例はBMW5シリーズの“しかめっ面”である。低く幅広い車高、鋭角のヘッドライト、幅の広いグリルが威圧感を生み、高評価につながった。
参加者の意見は、傲慢そう、恐そう、協調性といった特性についてほぼ一致していた。一方で、嫌悪感、外向性、悲しそうといった特性では見解が分かれた。
なお、笑顔で優しそうに見えるトヨタ・プリウスは評価が低く、4番目に位置した。車における親しみやすさは、必ずしも魅力として重視されていない。研究チームは、顧客が「好む」ものと「購入する」ものが必ずしも一致しないことも指摘している。
クールで威圧的な外観の車は注目を集めるが、実際の購入はマイルドなデザインのプリウスである可能性もある。好みと購買行動の乖離が、自動車市場の特徴を浮き彫りにしているのだ。