今どき「AT限定免許」を認めない人は時代遅れ?――でも現実はそんな単純じゃないワケ

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国内新車の約99%がAT車となる現状、AT限定免許の合理性は増している。若年層や女性の取得率データも示す通り、全員にMT技能を求める必要は薄い。効率化と人材確保を考慮しつつ、趣味や特定職種に応じた柔軟な免許制度の見直しが課題となる。

AT免許時代の現実

自動車(画像:写真AC)
自動車(画像:写真AC)

 いまだに「免許はMTで取るべき」と考える人はいる。昔の自動車社会では理解できる部分もあるが、現代の状況を踏まえると、もはや「AT限定は甘え」といった議論は成り立たない。むしろ、時代に合わせた免許選択の柔軟性が求められる。

 事実として、日本国内の新車販売の約99%はAT車であり、軽自動車から高級車まで大半が自動変速機搭載である。MT車はスポーツカーや一部商用車に限られ、1980年代には約5割あった比率も、2000年代以降は急速に減少した。もはやMT前提の交通社会は存在しない。

 ソニー損害保険の2025年1月調査では、2004(平成16)年4月2日~2005年4月1日生まれの1000人に、普通自動車運転免許を持っているかを聞いたところ、「普通自動車免許(オートマ限定)」は40.6%、「普通自動車免許(マニュアル)」は12.9%だった。

 性別で見ると、女性ではオートマ限定免許の保有率が46.4%と男性(34.8%)より高く、男性ではマニュアル免許の保有率が18.0%と女性(7.8%)より高い。こうした現状を前に、「免許はMTで取るべき」という考え方は、まるで

「レコードを使えなければ音楽を語れない」

といった比喩のようなのかもしれない。

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