今どき「AT限定免許」を認めない人は時代遅れ?――でも現実はそんな単純じゃないワケ
国内新車の約99%がAT車となる現状、AT限定免許の合理性は増している。若年層や女性の取得率データも示す通り、全員にMT技能を求める必要は薄い。効率化と人材確保を考慮しつつ、趣味や特定職種に応じた柔軟な免許制度の見直しが課題となる。
AT普及と制度調整

世界的にAT化は進んでいる。米国では1960年代からAT車が多く、州によってはAT限定免許の区分がない場合もある。欧州では長くMT比率が高かったが、EVシフトの進展に伴い、AT車の普及が徐々に拡大している。ただし国や地域によって差はあり、ドイツやフランスでは依然としてMT車の需要が残る。
こうした状況で、日本だけがAT限定免許を強調することは、国際的な潮流とはやや異なる印象を与える。とはいえ、国内の安全性や効率性を考慮すると、AT限定免許は合理的な制度であり、他国との単純比較で
「ガラパゴス」
と断じることは適切ではない。
MTが完全に不要になるわけではなく、産業用車両や一部地域輸送ではMT車が残る可能性もある。その場合は必要な人材に限定して「限定解除」を行えば十分であり、全員に義務化する必要はない。免許制度や教習の簡素化、企業の車両更新に合わせたAT化など、現実的な対応が求められる。