なぜ「都会の若者」は免許を取っても車を買わないのか? 地方の高級ミニバン志向と対比する、所有意識の崩壊とは

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若者のクルマ離れは都市と地方で二極化。都市部では免許保有者が10年で約95万人減少、所有よりカーシェアを選ぶ一方、地方では必需品かつステータスとして高級車志向も根強い現実が浮かぶ。

都市部の若者と公共交通・カーシェア文化

 都市部の若者のクルマ離れは、趣味嗜好の変化ではなく、都市環境が生む構造的現象である。鉄道やバスの利便性が高く、日常の移動は公共交通でほぼ賄える。加えて、カーシェアや電動キックボードなどのシェア型移動サービスが普及し、クルマを所有せずとも生活に困らない環境が整っている。

 駐車場代や維持費、任意保険料、ガソリン代といった固定コストも重くのしかかる。若者の間では「所有より利用」が合理的との意識が広がっている。警視庁によれば、20代の免許保有者は平成26年末の約1078万人から令和6年末の約983万人に減少した。都市部の大学生では、免許取得は就職活動の資格欄を埋めるためのものに留まり、生活必需品としての価値は薄れている。

 娯楽や交流がオンライン中心に移行したことも、クルマを媒介とした体験価値を低下させた。スマートフォンゲームやライブ配信、SNSのコミュニティが時間と関心を占有している。その中で、自動車メーカーはKINTOやダイハツのサブスク型サービスを投入し、「所有ではなく利用」の価値を訴求している。しかし都市部の若者にとってクルマは必須ではなく、メーカーが提供する価値と若者の求める利便性や体験価値には依然としてギャップが残る。

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