日本車メーカーは「テック企業と組む」しか生き残れない? 自動運転開発の構造的課題を考える【連載】Make Japanese Cars Great Again(5)

キーワード :
,
自動運転技術の実用化はレベル3段階にとどまり、レベル4以上の普及は未だ遠い。2010~2024年で2130億ドルが投じられる一方、投資の中心はテック企業に移行中だ。日本は官民連携と路車協調システムの強化で世界市場での競争力回復を急ぐ必要がある。

「免許不要」が示す転換点

「Make Japanese Cars Great Again」のイメージ。
「Make Japanese Cars Great Again」のイメージ。

 日本車はかつて「高品質」と「革新性」の象徴として、世界中で広く愛されていた。しかし、モビリティ環境が大きく変化するなかで、新たな課題に直面している。この連載「Make Japanese Cars Great Again」では、日本車がもう一度世界市場で輝くための具体的なステップを探る。過去の成功を振り返りながら、現在の課題にどう対応し、未来にどう進むかを考える。

※ ※ ※

 今回は、EVと親和性の高い自動運転について話をしよう。自動運転は、過疎地の交通問題や、公共交通・物流分野での人材不足といった課題の解決手段として期待されている。さらに、錯覚や不注意、イライラなど、人間特有の要因による事故の減少も見込まれている。

 ユーザー視点で見れば、自分で運転する必要がなくなることで、自動車運転免許は過去のものとなる。運転する喜びといった付加価値も失われ、自動車は単なる移動手段となる。オンデマンド型のカーシェアが主流になれば、自動車は究極のコモディティとなるだろう。こうした変化によって、自動車と人間との関係は大きく変わるのは間違いない。

 また、AI技術は自動運転だけでなく、生産現場にも大きな変化をもたらす。スマートファクトリーやインダストリー4.0は、自動車業界に限らず、さまざまな生産現場で導入が進んでいる。

 最終的には、マーケティングから設計、部品調達、生産、販売、納車後のアップデートまで、すべてがAIで完結するようになる可能性がある。そのとき、自動車生産における人間の役割はごく限られたものとなり、場合によっては人間が

「AIの奴隷」

となる未来さえ想定される。本稿では、こうした生産・販売への影響には踏み込まず、自動運転を中心に論じていきたい。

全てのコメントを見る