転生したら「鉄道時刻表」だった件
創刊100年、月間発行10万部超──紙の「鉄道時刻表」はなぜ今も生き残っているのか。検索全盛の時代に、重量級の冊子がなお支持される理由とは。貨物時刻表から駅弁情報まで、数字の羅列が旅情と情報を編み出す“紙のインフラ”の現在地に迫る。
そこに鉄道がある限り存在続ける

JTB時刻表は、2025年3月に創刊100年を迎えた。ここまでロングセラーとなった雑誌はまずないだろう。1987(昭和62)年の国鉄分割民営化時にJR時刻表が発刊され、JR時刻表派とJTB時刻表派の対立を生むこととなったが、それはささいなことにすぎない。どちらにも工夫や個性があり、単なる慣れの問題だと思う。
特にローカル線区や支線の掲載ページに大きな違いがある。それゆえに、たまに浮気をすると「JR時刻表ではここにあったのに、JTB時刻表はどこにあるのか」と、混乱するのは間違いない。しかしながら、これも単なる慣れの問題にすぎない。JR時刻表、JTB時刻表いずれも、付録やカラーページの充実と進化を遂げてきたのを、讃えるべきだろう。
人間時代の吾輩個人としては、今では余白が多くなり寂しくなってきたが、JTB時刻表の欄外の駅弁情報がひそかな楽しみだった。ネットのダイヤ検索は、目的地までの回答がすぐさま出てくるので便利だ。ただし、複雑な行程や途中下車をともなう場合、行程全体の列車や接続を把握するならば鉄道時刻表の出番だろう。
また、大型時刻表であれば、航空機、高速バス、フェリー、地方のバス路線も掲載されていて、異なる交通手段との比較やミックスしての移動も一冊でこと足りる。と、メリットをあげてみても、決して楽観できる未来ではなく気が気ではないが、鉄道があるかぎり鉄道時刻表一族は存在し続けるだろう。